子どもの発達支援室(放課後等デイサービス)

マーケティンググループ マーケティング企画室
マネージャー K.Fさん(2010年中途入社)

 

低学年版リリース時に感じた、「子どものためになる」可能性

入社以来、塾チームで学習塾向けの営業活動を行ってきましたが、2017年に「小学校低学年版」がリリースされたことが「放課後等デイサービス(以下、放デイ)」という新たなマーケットに着目したきっかけです。小学校低学年版の「すらら」は、公益社団法人である「子どもの発達科学研究所」の監修を受け、学習障がい・発達障がいのあるお子さまの学習支援にも使っていただきやすい教材としてリリースしました。

当時は放デイの仕組みも知らない中でしたが、研究所の所長である大学教授とともに、放デイの現場をいくつか視察し、子どもたちが飽きずに、楽しそうに学習している様子を見て「これはいける」と感じました。

実際に放デイ向けのセミナーを開催すると、100人以上の施設関係者の方々にご参加いただくことができ、ニーズがあることに確信を持ちました。放デイの職員の方は非常に熱心な方ばかりで「子どもたちのためになるなら」と我々の提案に耳を傾け、「すらら」を活用しようとしてくださいます。実際に契約をいただくことも増えてきて、大きな手応えを感じましたね。

自分自身も子どもを持つ親として、学習障がい・発達障がいのあるお子さまの親御様が深く悩まれていることも知っていましたし、子どもたちのためにできることがあるなら、自分としてもこのマーケットに注力していきたいと思いました。

学習支援を「すらら」が担い、事業所の「本当にやりたいこと」を実現する一助となる

放デイを担当しているのは現在2人ですが、契約までを主に私が担当し、その後のカスタマーサクセス(フォロー)活動をもう1名のメンバーが担当するという分業体制を取っています。契約までの営業活動は、国や自治体が出している事業者のリストに対してダイレクトメールを送付し、セミナーに来ていただいて、そこで「すらら」というサービスやその活用事例を紹介していき、個別面談につなげていくというパターンが多いですね。

ご契約後はフォローを担当しているメンバーに引き継ぎ、そこで改めてその事業所が大切にしていることや、「すらら」で実現したいことを伺って、それに基づいた活用方法のアドバイスや運用サポートをおこなっています。

フォロー担当のメンバーは、導入後半年ほどは特に密にコミュニケーションを取っているようです。放デイの事業所に実際に足を運んで、壁面の装飾やスタッフの方同士の会話などからその事業所の雰囲気を探っているのだと聞いたことがありますよ。

放デイにおいては「すらら」で個別最適な学習が実現できるということが、特にニーズに合っていると感じます。放デイで子どもの学習までサポートしてほしいという保護者ニーズは強いのですが、限られたスタッフで対応するには限界があるうえ、教務経験のないスタッフが多い中で「質問されても教えられない」という忌避感から、学習支援自体を断っている事業所も多いようです。「すらら」であれば人員配置を変えず、スタッフの方に教務経験がなくても学習支援に対応できますという提案をすると、喜んでいただけることが多いですね。

一方で、放デイは国や自治体からの報酬を受け取ることで成り立っているという背景から、

常に「条件を満たせなければ報酬カット」という事態と隣り合わせであり、法改正などの影響を大きく受けることに難しさも感じます。直近では、令和6年に「5領域」※ すべてを満たした総合的な支援をすることが施設運営の基準として定められました。

求められることが増える一方で、待遇が低いことから離職率も高い業界です。

学習支援の部分を「すらら」が支えながら、想いを持って施設を立ち上げたオーナーや、目の前の子どもたちのために精一杯働くスタッフの方々の自己実現をお手伝いできたらいいなと考えています。

自分の目で現場を見聞きして、現場で起きていることの課題解決を愚直にやる

私自身は放デイの現場を熟知しているわけではないので、フォロー担当のメンバーとともに、とにかく愚直に、現場で起きていることの問題解決をしていくことが大切だと思っています。フォロー担当のメンバーから「トークンエコノミー※ の導入提案のために、おもちゃのコインを買いたい」とか「教室内に貼りだす『すらら』メーターの雛形を作りたい」などと言われたときは、基本的にノーとは言わず、どんどん好きなようにやってもらっていました。「想いはあるけど、どうしたらいいかわからない」というスタッフの方が多いので、積極的にこちらから提案をしていくことで、活用が一気に軌道に乗ることが多いですね。

そういう意味で、自分の目で現場を見て、そこで必要なものをどんどん手を動かして形にしていけるような人、見聞きしたものからアイデアをたくさん持てる人は、放デイ担当に向いていると思いますね。また何より、ご自身の原体験からの想いがある方と一緒に働きたいなと思います。あと、放デイの現場の経験がある方は大歓迎です。

ゴールは「すらら」で学習してもらうことではなく、子どもたちの経済的な自立

今後のビジョンとして、私は放デイで「すらら」で学んだ子たちの就労までサポートし、経済的な自立を実現していきたいと考えています。放デイにお子様を通わせている保護者の方々は、自分の亡き後を心配し、お子様に経済的に自立してほしいと切に願っています。私が将来的に実現したいのは、放デイに通っている子どもたちが、将来的にその放デイ事業所や、その運営法人に、そのまま就職していくというサイクルです。

放デイを学童のような「放課後の預り」の場としてのみ機能させてしまうと、短いスパンで入退所がくり返され、毎年新規に通所する子どもたちの募集をかけ続ける必要があり、現場も疲弊してしまいます。制度上は18歳まで放デイに通うことができるため、就労に結びつく可能性があるとなれば、長く在籍する子どもたちが増えてくるでしょう。

放デイに通うような子どもたちが、成長し社会に出て就労するにあたってうまく職場に適合できず、引きこもりやニートになってしまうことがあるという切実な社会課題もあります。そんな社会課題の解決にもなると思うのです。


こうしたビジョンを契約時にオーナーの方々にお話しすると、強く共感してくださり、できることから一緒にやっていきたいと言っていただけることが多いです。「すらら」を売ることや、「すらら」で学習してもらうことがゴールではないと考えており、ビジョンに共感してくださる方々と、子どもたちの経済的な自立をゴールにして一緒に働いていきたいですね。

今は、「すらら」の契約が増えることは、それだけ救える子どもの数が増えることである、ということが私の働くモチベーションになっています。



※5領域:「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」

「人間関係・社会性」の5つの領域を指し、令和6年度の報酬改定では、放デイでこのすべてにバランスよく対応することと、子どもたち1人ずつに個別支援計画を作成することが定められています。


※トークン・エコノミー:「頑張れば良いことがある」という体験を重ね、目標を達成することを習慣化していく方法。